こんにちは。
子なし妻のすーです。
生産性なく毎日を過ごしています。
毎月読んだ本を公開し、おすすめ本を紹介しています。
2023年5月は14冊の本を読みました。
こちらの全14冊です。
その中で読んでよかった☆4と☆5の本を紹介します。
- 1.「母親になって後悔してる」オルナ・ドースト著
- 2.「はじめての最新メンタルヘルス入門」吉里恒昭著
- 3.「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著
- 4.「家守綺譚」梨木香歩著
- 5.「母とヨーロッパへ行く」太田篤子著
1.「母親になって後悔してる」オルナ・ドースト著
母親になって後悔しているという様々な年代の女性に話を聞き、その話を元に著者の考察が書かれた本です。
この本はタイトルが衝撃的で、ずっと読んでみたいと思っていた本です。
不妊治療中に見かけた気がします。
ただ自分とは全く別次元の女性の話として捉えていた気がします。
自分も同じかもしれないと考えていたら不妊治療をストップして本を先に読んだでしょうから。
読んでみて、話をしてくれている女性の、母親になって後悔しているという感情は特別なことではないと理解出来るようになりました。
・母親に対する社会の目(母親は無条件に母性を持ち、与える存在である等という完璧な母親を求める固定的な考え方)
・子に対する使命感・責任感(子どもを育てている時だけでなく一生ある)
・父親と母親の差(母親は短い休憩もできない)
等が詳しく書かれていて、その重すぎる責任に耐えられない気持ちに納得がいったからです。
私にも母親に対する固定的な考え方が無意識にあったことも分かりました。
私は母親という立場ではないので、理解しきれていない部分も多くあると思いますが、それでも多少は固定的な考え方を多面的に考えることができるようになったと思います。
「母親になって後悔している」ということはタブーになっているけれど、それ以外にも世の中の暗黙の了解的にタブーになっていることを言えなくて苦しんでいる人はいるんだろうなと思います。
自分が知っていることだけで考えずに、謙虚に知らないことを学んだり、考え方を柔軟にしたりしていかないといけないなと思わされました。
2.「はじめての最新メンタルヘルス入門」吉里恒昭著
ポリヴェーガル理論とマインドフルネスの考え方が書かれています。
ポリヴェーガル理論というと難しそうですが、メンタルヘルスについてわかりやすく、そして、実践的に書かれているので、私のようにメンタルヘルス初心者の人にもおすすめです。
従来は自律神経は交感神経と副交感神経の2つであると考えられていたのが、ポリヴェーガル理論では副交感神経がさらに背側迷走神経と腹側迷走神経からなり、自律神経は3つであると考えられています。
この本では、その3つの神経を赤・青・緑と色で表し、分かりやすく説明されています。
赤:交感神経(戦ったり、逃げたりして命を守る。アクセルの役目)
青:背側迷走神経(休ませる。ブレーキの役目)
緑:腹側迷走神経(安心させる。ニュートラルの役目)
メンタル疾患は、自律神経がアンバランスになっている状態。
緑が少なく、赤青が過剰な状態。
緑を多くすることが回復の鍵だそうです。
まずは自分が今、何色の状態にあるか気づくことが大事だと書かれていました。
気づくことが回復のための一歩になるんですね。
最近は、イライラしたりしても「今、赤の状態だな~」と等と考えられるようになりました。
そして、そう考えると客観的になり、緑に近づけるようになってきた気がします。
赤や青になっても、緑に戻れるという感覚が緑を育てるそうです。
緑に戻るという感覚を実践するための手段として、マインドフルネスが紹介されていました。
マインドフルネスは「今ここ」に考えを集中する方法です。
この本でなるほど~と思ったのは、「旅行をするとマインドフルになるのは、今ここに集中しているから」という所。
そういう心の状態が心地よいから、旅行が好きな人が多いのかもしれませんね。
3.「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著
「クララとお日さま」がよかったので、カズオ・イシグロの他の本も読んでみたいと思って手に取った本です。
「クララとお日さま」と同じような、カズオ・イシグロ独特の静かな音楽が流れるように淡々としながらも、心にズシンとくる小説でした。
臓器提供の為に育てられた子どもたちの、子ども時代から大人になり臓器提供して使命を果たすまでの話。
こないだ西成に行ったときもディープさ衝撃を受け、自分の器の小ささを感じたけれど、「わたしを離さないで」を読んで同じような気持ちになった。
— すー (@8Suu4) 2023年5月11日
物語の内容を面白いと思いながらも、登場人物に感情移入できないのは、他人事に感じているからだと思った。
もし、小説のような世界があったとして→
臓器提供を受ける側の人間だと思っているからで、する側だと思っていないからだと思う。また、臓器提供する人がいると知りながら見て見ぬふりをしてしまう側だからだと思う。
— すー (@8Suu4) 2023年5月11日
先進国で何不自由なく暮らしている自分がちっぽけに思えてきた。
4.「家守綺譚」梨木香歩著
亡くなった友人の一軒家の実家に住むことになった作家が書いたという設定で、不思議な日常が描かれている小説です。
「奇譚」というのは、不思議な話のことです。
童話のような不思議な世界観で、河童とか、人間に化けた狸とか、掛け軸から亡くなった友人が出てきたりします。
タイトルが植物の、28話からなる短編で、その植物にちなんだ話になっています。
別世界に行ける気がするので、日常に疲れた時にのんびりお茶を飲みながら1話、1話大事に読みたいと思えるような本です。
5.「母とヨーロッパへ行く」太田篤子著
年齢が合計100歳になる母と娘のヨーロッパの旅について書かれた本です。
仲のいい親子関係という一面だけでなく、わがままな親と仕切り屋の娘という一面も書かれていて、完璧な関係でないからこそ共感して読めます。
旅行の相手って難しいですよね。
旅行中にお互い本性が出てしまっても関係が変わらないというメリットがあります。
しかし、高齢の親との旅は親の体力面で気を使うことが多いというデメリットもあります。
そんなデメリットを著者は何回も旅を繰り返すうちに工夫して克服しています。
例えば・・・
・ホテルを変えていく場合は、徐々にランクを上げていく。節約ができるし、メリハリがつく。最終日の夕食は泊まっている高級ホテルのレストランでご褒美。
・旅行のカギを握るのは往きの飛行機。マスクをしてなるべく寝ることに集中。
・ホテルでの部屋食をはさむ。最終日の夜は部屋食にはせず、豪華に。
親と行かない旅行にも参考にしたいアイデアが満載◎
また、旅行中の母と娘の大人なコーディネートも写真付きで紹介されていて、参考になりました。
シンプルな洋服にストールやアクセサリーでアレンジされていて、少ない服で旅行できる秘訣がわかりやすかったです。
ブクログは感想や評価が入れられてとても便利ですよ。
https://booklog.jp/users/8suu4
ほとんどの本は図書館で借りて読んでいます。
そんな図書館のメリットはこの記事で語っています。