こんにちは。
子なし妻のすーです。
毎日、生産性なく過ごしています(・∀・)
毎月読んだ本を公開し、その中のおすすめ本を紹介しています。
2024年10月は15冊の本を読みました。
こちらの全15冊です。
この中で読んでよかった☆4と☆5の本を紹介します。
- 1.「すらすらよめる日本の古典 徒然草」
- 兼好法師・長尾剛著
- 2.「夜明けのはざま」町田そのこ著
- 3.「存在のすべてを」塩田武士著
- 4.「花のしつらい、暮らしの景色」平井かずみ著
- 5.「和宮様御留」有吉佐和子著
- 6.「夜明けのすべて」瀬尾まいこ著
1.「すらすらよめる日本の古典 徒然草」
兼好法師・長尾剛著
徒然草を簡単に読めるように現代語訳している本です。
ただ単に現代語訳しているだけでなく、当時の時代背景や文化のことも説明してあるので、小学生でも楽しんで読めると思います。
鎌倉時代の作家とは思えない、現代でも通じる内容でした。
900年近く前の話で、その頃から社会はだいぶ発展していても、人間の考えることはあまり変わらないんだとびっくりです。
特に友人の選び方や語り合いの楽しみの章はおもしろかったです。
「日頃から不満に思っていることが共通していればそれなりに盛り上がる」というのは今でいう会社への愚痴ですよね。
そして、「その場は盛り上がるが、そこから新しい考えが生まれるものではない、しょせんはストレス解消の暇つぶし」というのも納得。
「自分が抱える人生の苦しみ、生きる悩み。そんな大切な問題について、心の底から真剣に語り合える友。
おしゃべりによって、本当のなぐさみや喜びを与えてくれる友。
そんな友だちは、そう簡単には得られぬものよ。」
本当にそう。
そんな人は一生に1〜2人いればめっけもんですよね。
2.「夜明けのはざま」町田そのこ著
死と向き合いながらも、自分だけの人生を生きようともがく人たちの話。
舞台は家族葬専門の芥子実庵。
そこで働く従業員、社長、花屋さん、仕出し屋さんなどが主人公になっている短編集です。
恋人、友人、親、職場の人などが若くして亡くなったり、突然亡くなったりするところから物語が始まります。
いつまでもずっと生きていると思ったらだめ、
後悔せずにちゃんと伝える努力をしようと思いました。
また、職業差別、男女差別もテーマになっています。
私はあらゆる差別の根本はその人の肩書きや属性だけ見て、個人ときちんと向き合っていないから起きると思っています。
この本の主人公たちは逃げずにきちんと個人と向き合い、対話し、自分の中で落としこんでいっています。
大変でも、辛くてもそういった経過を踏むことで納得のできる結論が出るんだよなと感じました。
3.「存在のすべてを」塩田武士著
二児同時誘拐事件。
一人の子はすぐに解放され、もう一人の子は3年後に帰ってきた。
犯人は逮捕されないまま、時効を迎えている。
3年間誘拐された子どもはきちんとしつけられ、その後人気画家になった。
犯人は誰だったのか?
空白の3年間に何があったのか?が、
定年前に事件を追う新聞記者と、人気画家のかつての同級生の目線で描かれています。
空白の3年間の3人の疑似家族があまりにも本当の家族のようにお互いのことを思い合っていて、ずっと3人でいられればいいのにと思ってしまいました。
ずっと一緒にはいられない関係性だからこそ余計そう見えたのかもしれません。
実の祖母宅に帰った後、3年間の家族のことを大事に忘れなかった3人は血が繋がっていなくとも本物の家族になっていたんだろうな。
事件を、かわいそうとか、正義とか、罪とかっていうのは一面でしか見ていない、
本当のところは本人たちにしかわからない絆で結ばれていたのが感動的でした。
4.「花のしつらい、暮らしの景色」平井かずみ著
自然のままに植物を飾る方法が書かれた本。
アイデアが満載で試したくなりました。
・花が向いている方向に沿って自然のままに飾るのが新鮮。
まっすぐに飾るという思い込みが外れた。
・浅い花器に花を飾るのが素敵。
一輪を寝かせて飾る。
花器の縁に花首をのせて安定させる。
・普段使いの器を花器としても使う。
平皿に生けるのがいい!
・秋色アジサイ
夏を過ぎても切らずにおいておくとアンティーク調の色味に。
・花の咲かない冬は色んな種類の葉っぱを組み合わせて飾る。
主役として斑入りの葉っぱなどを。
・落ちた赤い実をワイングラスなどグラスにいれるとおしゃれ。
・干し花
咲いている花をざるにのせて干す。
干し花をガラス容器に何種類かいれるとおしゃれ。
5.「和宮様御留」有吉佐和子著
江戸時代末期、外国から開国を迫られ、開国派の幕府と攘夷派の天皇と意見が分かれていた。
幕府と天皇との仲立ち(公武合体)のために徳川幕府14代将軍家茂に嫁ぐ天皇の子・和宮様の話。
最初は公家の言葉に慣れずなかなかページが進まなかったが、途中からおもしろくてどんどん読んでいってしまいました。
和宮様を替え玉にするという発想がすごい!
あとがきを読むとあながち突拍子もない発想とはいえないのかもしれないと思ってしまいました。
確かにゴタゴタしていた時代だし、身分が高い女性だとたくさんの人に会わないから可能かもしれないな、と。
最初の替え玉、フキはただただ不憫でした。
元気が取り柄で、下女見習いのような身分のフキには宮様の代わりなんて一番やらせてはいけなかったのでは?
気が狂わないほうがおかしい。
二番目の替え玉、宇多絵はフキよりは身分が違わないし、大切に育てられた子だからまだよかったかもしれない。
しかし、時代が変わる時に大変だっただろうな。
この替え玉ふたりが頼りにしていた少進というお付きの女性がすごくよかった!
少進がいなかったらこんなにうまく事は運んでいかなっただろうな〜。
6.「夜明けのすべて」瀬尾まいこ著
重いPMS持ちの20代女性とパニック障害持ちの20代男性がお互いの病気を気づかいながら一歩ずつ前へ進んでいくやさし〜い物語です。
瀬尾まいこさんの本は何冊か読みましたが、この本が一番好きかもしれません。
人って自分で経験していないことって理解できないことがあります。
しかし、2人とも自分ではどうにもならない病気を抱えているからこそお互いを理解できるし、安心できるし、気を使わないでいられるんだろうな〜と感じました。
そして、2人の関係が安心だからこそちょっと外に目を向けられ、職場の人に心を開いていって、よい方向に向かえているんだろうな。
病気によってできないこともあるけれど、
忘れていた好きなことを思い出せたり、
相手の表面的なことだけでなく深いところまで理解できるようになったり、
できることもたくさん書かれていて、そこもよかったです。
ブクログは読書記録をつけるのに便利ですよ。
https://booklog.jp/users/8suu4